あとで読み返すためのお父さん日記

色々忘れちゃうので残してます。

写真家ソール・ライター 急がない人生で見つけた13のこと


去年の年末(12月26日)奥さんと一緒に渋谷のシアターイメージフォーラムで、「写真家ソール・ライター 急がない人生で見つけた13のこと」を見てきました。

写真家のノンフィクション映画は「ヴィヴィアンマイヤーを探して」に引き続き2作目です。

公式ウェブサイト
 

写真についてだけではなくソール・ライターなりの人生観を、インタビュー形式で13章に分けて構成された映画です。

もともと彼はファッション誌ヴォーグの表紙を撮るような有名写真家でした。ところが80年代に突然華々しいキャリアを捨てます。

2006年。彼が撮影した美しいニューヨークのストリートフォトの写真集が出版されると、その高い芸術性が評価され再注目されます。この映画は彼が亡くなる1年前に完成したものです。

彼はなぜ華々しいキャリアを捨てたのか?その核心についてインタビューを通して話すことは避けているように思いました。彼自身の言葉での説明はこうです。

“A window covered with raindrops interests me more than a photograph of a famous person,”

雨粒に覆われた窓を撮ることのほうが、有名人のポートレイトを撮ることより興味をそそられるんだ。

写真を撮る人であれば自分の作品を認めてもらいたい、評価してもらいたいと思うのかもしれません。最近ではFacebookのいいね、Instagramのフォロワーの数を増やしたいと思うようなことです。

しかし彼はどう評価されるかということは何も考えず、彼なりの作品を撮り続けました。その結果が素晴らしいストリートフォトを残すことにつながったのですから、自分も写真を趣味とするものとして考えさせられました。

彼が見つけた”13のこと”全ては覚えられませんが、最後の点は心に残りました。

A Search for Beauty

美の追求


「人生の目的は幸福なんかではない、美の追求だ」
 
写真についてこの言葉を適用するとすれば、どんな被写体でも、例えばそれがホームレスを映す場合であっても、その中に美を見つけて撮るべきだ。被写体を貶めるような撮影はするべきではない。

ということなのではないかと思います。

最近ストリートフォトに挑戦してみようと思っているのですが、はっとさせられました。

頭に叩き込んで、街で撮影しようと思います。

こちらの記事もおすすめ。
7 Lessons Saul Leiter Has Taught Me About Street Photography By ERIC KIM


ソールライターの写真集は複数出版されているのですが、Amazon.co.jpだとレビュー数がすくないので、Amazon.comのコメントを調べてみました。

コメントを読むと、この本が一番彼の作品を網羅的に扱っていて、初めての1冊には最適のようです。

Saul Leiter: Retrospektive / Retrospective

カラー写真だけでなく、モノクロと彼の絵画作品も収録されています。

彼が再注目されるきっかけとなった写真集もあるのですが、残念ながらこちらは売り切れで手に入らず、、。

ドイツの出版社らしいので、日本からだとなかなか手に入れるのが難しいかもしれませんね。